零れ話
息子の素朴な疑問 母にとっては地雷のような話題
「お母様とお父様はどこで出会ったのですか?」
可愛らしく首をかしげながら問いかけてくる息子を可愛いなぁと思いつつ、その内容に頭が真っ白になる。固まった母を見上げて答えを待つ我が子に何と話したら良いのだろうか。
その当時のことをあまり思い出したくない、というか話したくないため、どうにか息子の興味を他に移せないか対策を練ることを熱心にしていたため、彼女は後ろから来る人物の存在に気付かなかった。
「母様と父様が初めて会ったのは温室だよ」
「あ、お父様!お仕事終わったのですか?
突然現れた父親へ息子が飛んでいく。
ああ余計な人がきてしまったと彼女はもうこの話題を無かったことに出来ないと覚悟した。
乗り込んでみたら
今の状況はどういい表わしたらいいのだろうか。
現在、自分たちが居るのは国王の執務室。ここにいるのは暗い中黙々と仕事をこなす国王と、それを補佐するイリア、それと乗り込んできたミュレアと引きずられるようにしてやってきたトリウェル。
「陛下、お聞きしたことがあります」
そう発言したミュレアを一瞬見ただけで、国王は何も言わずに書類に目を通す作業を続けた。
「いつまで本当のことを隠されるのですか」
彼女のその言葉に国王の動きが止まり、書類から視線を外した。
「何を言いたい」
「正直にお伝えした方がお二人のためだと申し上げているのです」
溜息をついて椅子の背もたれに身体を預ける。その態度が、まるでそんなことを言いに来たのかと呆れているようで、ミュレアは癪に障った。
「言いたいのはそれだけか」
「はい」
「そうか、彼女は追い詰められているのか」
「私にはそう見えましたので」
それを聞いただけで、国王は再び作業を始めた。
最初に逆戻りしたようで、ミュレアは国王の説得が無理な事を悟った。
被害者は青年 諦めろ!遭遇したのが悪かった…
「良いところで会いましたね。トリウェル様」
笑顔で脅迫されそうだ、と心の中で呟いたトリウェルは引きつる顔を何とか直そうと試みるが、なかなか上手くいかなかった。
「どうしたんですか、ミュレア」
「陛下は今執務部屋にいらっしゃいますでしょうか」
「え?ええ、いらっしゃると思いますが」
思っていたのとは違う人物の居場所を聞かれ、トリウェルは呆気にとられた。何だ彼を探していたのではないのか。
「そうですか。会議中ではありませんよね」
「ああ、昼間休みを取った分を取り戻すと書類に」
トリウェルが全て良い終わる前に、ミュレアは歩きだす。人の話を遮るなどという失礼な事をしない彼女のこの行動に、トリウェルは驚いて思わず彼女の腕を取り、その歩みを止めた。
「ちょ、ちょっと。ミュレア!どうしたんですか」
だが、その問いに答える事は無く、ミュレアは低い声で警告する。
「離して下さい。たとえ貴方でも邪魔だてすれば容赦しませんよ」
・・・
今日はここまで!あっぶな。UPするって言ってたの忘れてた。
また後日続きを書きます。
堪忍袋の緒が切れました!ブチッ!!
彼女は黙ってフィリネグレイアから離れ、部屋を出る為廊下に続く扉へと進んでいく。その際、一緒に部屋に入ってきていたサヴィアローシャに目線を向ける。
フィリネグレイアを見ていたサヴィアローシャは視線を感じ、彼女はミュレアの方を見る。ミュレアのその表情からフィリネグレイアの事を頼まれたのを覚る。了解したと1つ肯くと、ミュレアはうっすらと笑ってから部屋を出て行った。
部屋から出たミュレアは黙々とわき目も振らず目的地へと足を進める。その勢いといったら誰も声をかけられないほどであり、実際彼女に声をかけようとしたトリウェルは一度固まった後にその表情を引きつらせた。
彼は彼女に声をかけない方が良いと即座に判断した。だが時既に遅く、怒り心頭のミュレアに見つかった。
トリウェルを見つけたミュレアはそれはそれは嬉しそうに笑顔を浮かべた後、そのままの表情で彼へ向かっていく。
…
以上!とりあえずここで今日は終わり!明日また夜にでも続きをUPしたいと思います。
ところで、何故フィリネグレイアが呆然としていたのかは第21話で分ります。
こっちも頑張って書きあげるぞ!
王妃の疑問 聞いてみたら夫が不機嫌になりました
とある温かい日差しが降り注ぐ良く晴れた日のことだった。
「ずっと気になっていたのですが、陛下はいつになったら他の妻を娶られるのでしょうか」
行き成りそう問われた男性は、妻の発言に飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。そんな醜態をさらすことはなかったが、気管に入って咳を繰り返す。男性が苦しそうに咳をするのを見て、女性は慌てて男性の背をさすった。
「大丈夫ですか?」
「ああ、平気だ」
少し間をおいて落ち着いた男性は、爆弾発言を落とした女性に問いかける。
「行き成り何故そのような事を言うんだ」
男性の問いに、女性は首をかしげながら、自分の疑問を打ち明ける。
「上王陛下は第3妃までいらっしゃたので、陛下も他の女性を妻にするのかと。実際そのようなお話を受けているのではありませんか?」
女性の質問に、男性は今ここにいない己の親に向かってあのクソ親父!と罵る。
「お前は俺が他の女性と結婚しても何とも思わないのか」
男性の言葉と自分を見つめる目に、女性はひるんでしまう。そして不機嫌そうに少し眉間にしわを寄せて、呟いた。
「私は十分にお世継ぎを生めません。それは陛下もご存じの筈です。私が貴方の妻でいられるのは、周りの人と陛下の温情のおかげです」
女性の言葉を聞いた男性はため息をつき、それを見た女性は泣きたい気持ちでいっぱいになった。
「俺はそういうことを聞きたいんじゃない。お前は俺が他に妻をもって嫌じゃないのかと聞いている。お前の本心が聞きたい」
男性の真摯な言葉に女性は息を飲んだ。ここで自分の心を偽ったら、きっと目の前の愛する人を傷つけてしまうと思った。
「もし、陛下が新しく妻を迎えられたら、すごく寂しくて辛くなると思います」
女性の言葉に、男性は安どした。どうやら他の女性を妻としても何とも思われないほど愛されていないというわけではないようだ。ということは最初の答えが彼女の中で不安となっているのだろう。
「お前が俺の妻なのは、俺がそう望み、他の者もそうあるべきだと思っているからだ。それと、俺はお前以外妻とする気はない。今は他に妻をめとる必要がないし、俺はお前以外の女に対して妻のように接することはできない。だから、だ」
男性の言葉を聞いた女性は目に涙を浮かべて、男性の胸にその身を委ねた。女性を受け止めた男性は彼女の頭を優しくなでる。何故そのような不安が彼女を襲ったのかという詳細を男性は知らないが、大方予想はつく。きっと心ない言葉が彼女の心をえぐったのだろう。
傷ついた女性を癒すため、自分の出来ることを男性はする。
「俺を支えてくれる妻はお前だけだ」
その言葉を聞いた女性は男性の腕の中で小さく「はい」と返事をした。
・・・
そんな2人の世界を展開している部屋の中に、実は彼ら以外に側近2人と侍女1人が居た。
女性の爆弾発言に硬直していた人たちは逃げ出すタイミングを見事に逃がしてしまい、それなら傍観してやると2人のやり取りを離れたところで見ていたわけなのだが。
「あー、陛下すごいデレてますね。いつもの威厳がないですよ」
「まさかこんな日が来るとは思わなかったけど、良いことなんだか」
「良いじゃないですか。私としてはイーシャ様が素直に甘えられる姿を拝見出来て大変嬉しいですけど」
「あー・・・」
他の2人が侍女を見ながら何と言えない表情と声音で同じ言葉を発した。
「なんですか、その反応」
「いや、気にしないで」
「それにしてもイーシャ様の発言には肝を冷やしましたね」
「本当に」
「でもま、良いんじゃないですか?陛下も嬉しそうですし」
そんな会話をしながら、3人は自分たちの主を眺めていた。
今らさ~
そういえばイベントに出るぜ!って告知しときながらその後スルーでした。
はい、22日にインテにて身内のサークルの売り子してきました。うん、熱気がすごかった。ちなみにオレの戦利品は一冊です。MTTさんのね、ガン○ムWが大好きなんです。それ以外は探すのが面倒だっだのでそのままスペースに入り浸っていました。といっても自分が買い物に行けたのはお昼すぎてからなんですけどね。インテはお昼の儀式が無いので時間を気にしなくて助かります。
あ、ここで感想言ってますが、オレは全く作品出してないのでご安心を。いや、昔一回だけDぐれで出したことあるけど。でも消したい過去。
隠すのがめんどくさかったのでおおっぴろげてます。むむむ、一睡もしてないのでそろそろ身体が動かなくなるぞ!でも小説書き進めていたわけでわなく、墺洪のイラストや漫画をあさってました。洪が好きなのでございます。
「終わってから始まる、愛」の中でフィリネグレイアがアルフレアについての情報を集めていたという描写がありましたが、この場面を番外編として書きたいと画策しております。…読みたい人、いるのかな?フィリネグレイアが勉強に追われながらものんびり過ごしている裏で、国王やその側近たち(イリア、クロード、トリウェル)の奮闘も書けたらな~と考え中。あくまでも希望。予定は未定…。
さすがにそろそろ寝ます。寝ます。そしてお昼頃起きて日差しに体力ゴリゴリ削られながら買い物に行くんだぁ…。
王と王妃のある日の出来事
「陛下、陛下?どこにいらっしゃいますか」
一人の女性が、広い庭園のなか誰かを探していた。その声を聞いた一人の男性がその女性に声をかける。
「イーシャ、俺はここだ」
女性から見える位置に移動しすると、男性を見つけた女性は嬉しそうに男性のもとへと向かう。
「こちらにいらしたのですね。探しました」
急いで男性のもとへ行きたい気持ちを抑えて女性は歩く。気を抜いたら走ってしまいそうになるが、それをすれば男性に怒られてしまうだろう。
男性も女性が自分のもとへ辿り着くのを見守りながら待つ。以前は女性がこちらに来るのを待つよりは、自分が向かった方が早いと自分が彼女の方へ歩いて行っていたのだが、そうすると彼女は少し不機嫌になる。何故だろうと小首をかしげていた。先日その理由を聞いてみたところ、なんと男性が立っている所まで自分の足で辿り着きたいという何とも不思議な想いがあったそうな。
そのような事を他人が言ったなら馬鹿かと袖にするところだが、愛する人が言うと男性には何故か愛おしく感じていた。
可愛らしい女性が自分のところに到着したところで、己の腕で彼女を包み込むようにその身を引き寄せた。
「どうした?今日の仕事は午前中だけだったはずだが」
自分を包む男性に女性は身を預け、男性の問いに答える。男性の腕の中にいる女性はとても幸せそうにほほ笑んだ。
「はい。お兄さまからそのように窺っております」
時折、どこかふらっといなくなってしまう男性を連れ戻すのはもっぱら女性の役割となっている。彼女が男性を探しているのは大抵そういう状況であるが為、今回もそうなのかと男性は思ったのだが、どうやら違う用件のようだ。
「実は陛下にお伝えしたいことがあります」
立ったまま話し出そうとした女性に、男性は待ったをかけた。
「その前に東屋に行こう。昨日もまた熱を出していただろう。ずっと立っていては疲れてまた風邪を引いてしまう」
女性をエスコートしながら移動し始めた男性に、女性は少し不満そうにする。
「陛下、私は昔と違ってこれぐらいで風邪など引きませんよ」
「だが、ここ最近体調が優れないのだろう?トリエとサヴィエナが心配していたぞ」
女性付きの侍女たちの名前を出され、女性は表情を陰らせた。
「2人にはいつも迷惑をかけてしまって申し訳なく思っています」
「あの2人は迷惑なんて思っていないだろう」
2人で東屋に入り、中に設置してある椅子に座る。昼間であるが既に冬に近付いているため日陰に入ると少し肌寒い。男性はショールを羽織っている女性に自分の上着をかけた。
「私はこれをかけていますから大丈夫です。陛下がお風邪を召してしまいます」
「俺はイーシャと違って頑丈だから大丈夫だ」
女性は少し不満だったが、男性の匂いのする温かい上着に心が温かくなるのを感じた。
「それで、お前の伝えたい事とは何だ」
当初の目的を思い出した女性は、見つめていた上着から目線を外し、男性を見詰める。
「実は今日医師に体調を見ていただいたのですが、実は…」
その先を聞いた男性は目を見開いた後、温かい笑みをその顔に浮かべた。滅多に微笑まない男性が嬉しそうに笑うそのことが、女性はすごく嬉しかった。
・・・
「それなら、やはりこんなところにいて身体を冷やしては大変だ。部屋に戻るぞ」
そういって男性は女性を抱き上げた。
男性の行き成りな行動に女性は驚き、非難の声を上げる。
「え!?陛下!ちょっ、お、降ろして下さい!!」
「ずっと気になっていたのだが、いつまで俺の事を陛下と呼ぶんだ。もう結婚して半年以上経つのだからいい加減名前で呼べ」
「そ、それは」
「お前が俺をそのように読んでいたら、俺は自分の子にも“陛下”と呼ばれそうだ。さすがにそれは勘弁してほしい」
「信じてほしい想い 届かない願い」について
HPの方でBlogにUPしたものや新しく付けたしたものをまとめてUPすることにしました。「終わってから始まる、愛」の更新がメインとなるので、この作品の更新は大変遅くなると思います。ですが、拍手も多く頂いているので、頑張って書いていこうと思います。
拍手して頂いた方々、ありがとうございます。
没案2
その沈黙を破ったのは青年だった。
「お初にお目にかかります。私は王国騎士団第三軍隊所属、ルインと申します。先日より国王陛下よりフィリネグレイア様の護衛の任を申し付かりました。以後お見知りおきを」
そうして騎士の礼をとった青年をフィリネグレイアは内心呆気に取れられて見ていた。何という事だろう。どうして自分の護衛にこの人が付いているのだ。
「陛下が仰っていた護衛とは貴方の事だったのですね。宜しくお願い致します」
動揺を覚られないよう、淑女の礼を完璧にやってのける。その間にフィリネグレイアは自分の心を落ち着かせようとした。
「本当は陛下からフィリネグレイア様の負担とならないよう、気付かれることなく影からお守りするようにと言われていたのですが。以後このような事がないよう気を引き締めていきますので、ご容赦下さい。」
自分の失態を気に病んで表情を曇らせた青年に、フィリネグレイアは素直に自分の本心を言う。
「負担なんてとんでもない。わたくしの護衛をしていただいて、大変感謝しています。ですから、お気になさらずに」
「私にはもったいないお言葉です」
そう言って謙虚な態度をとるルインに、フィリネグレイアは自分の立場の変化を改めて実感した。そして、言うべき言葉を間違ったとも感じた。
今まで護衛する者を雇うという状況にも、立場にもいなかった為その人たちに対して自分がどのように対応すれば良いのか戸惑ってしまう。だが上に立つ者がそのような弱音を漏らしてはいけない。だから、先程の「申し訳ない」という感情を含ませた自分の言葉は、青年にかける言葉として不適切だった。
ならば、自分はどのような態度と言葉で、このような人々に接すれば良いのだろうか。彼女はその答えがまだ明確には分からなかった。
「これからも宜しくお願いします、ルイン。わたくしは資料集めをしますので、これで失礼します」
フィリネグレイアはそう言ってルインから離れ、最初の目的を果たすため行動を開始する。少し経ってから振り返ると、もうそこにルインの姿は無く、フィリネグレイアは彼が護衛に戻ったのを確認した。
これは護衛と言う名目の監視だろうか。
そんなことを考えながら、フィリネグレイアは本の内容を確認していく。自分からは確認できない国王からの護衛。自分の視界に入らないモノを常に警戒しているわけがない。護衛、という言葉でフィリネグレイアはその存在を特に気にしてはいなかったが、今回の事でその認識が覆される。
此方から護衛を外す、または姿を現すように言っても請け合ってくれないだろう。
第十八話の没にした話
ここで自己紹介をした方がいいのだろうかと思いつつ、聞かれたら答えようという姿勢で青年と対峙するという考えに至った。
この場をどう切り抜けようかと考えているうちにフィリネグレイはじっと青年を見ていた。そして青年も、フィリネグレイアを見つめている。
そのまま、長い間二人は無言で見つめあう。もしこの場に他の人がいたら不審に思うだろうほど、二人は無言でお互いを見ていた。
その沈黙を破ったのは青年だった。
「初めてお会いしたのにこのような事をお願いするのは無礼だと十分承知しておりますが、もしよろしければ、また此処でお会いできないでしょうか」
青年の誘いにフィリネグレイアは驚いた。彼は自分が何者であるか知っているだろうに、何故自分と会う約束をしようとしているのか。彼女には分らなかった。
これは情報を得る絶好の機会であると同時に危険である。
まだ王妃候補でしかない彼女が男性と二人で会っているという事が、他の人に知られれば厄介だ。せっかく決まった事が全て水の泡になってしまうのだ。それでも、彼から得られるだろう情報の価値を考えると、そのような事にならないよう根回しをする苦労を買っても良いと思ってしまう。
結局フィリネグレイアは青年の提案をのむことにした。
「はい、喜んで」
青年は断られるかも知れないと思っていたのだろう。了承の返事を言うと明らかに体に入っていた力を抜くため、溜息を吐いた。
「明後日の今日と同じ時刻に予定はありますか?」
その日の予定を思い出してみるが、特別な予定は聞いていないし、今の時間帯は午後の授業も終わっているし特に問題はない。その事を青年に伝えると、彼は嬉しそうに微笑んだ。
「では、明後日のこの時間に、ここの書庫の前でお会いしましょう」
青年の嬉しそうな笑顔に罪悪感と疑問を覚えながら、フィリネグレイは応える。
「分りました。楽しみにしていますね」
その後、青年は用事があるからと書庫を出て行、フィリネグレイアは数冊の本を借りて書庫を出た。
なんかもったいなかったんでUPしてみました。