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乗り込んでみたら

 今の状況はどういい表わしたらいいのだろうか。

 現在、自分たちが居るのは国王の執務室。ここにいるのは暗い中黙々と仕事をこなす国王と、それを補佐するイリア、それと乗り込んできたミュレアと引きずられるようにしてやってきたトリウェル。

「陛下、お聞きしたことがあります」

 そう発言したミュレアを一瞬見ただけで、国王は何も言わずに書類に目を通す作業を続けた。

「いつまで本当のことを隠されるのですか」

 彼女のその言葉に国王の動きが止まり、書類から視線を外した。

「何を言いたい」

「正直にお伝えした方がお二人のためだと申し上げているのです」

 溜息をついて椅子の背もたれに身体を預ける。その態度が、まるでそんなことを言いに来たのかと呆れているようで、ミュレアは癪に障った。

「言いたいのはそれだけか」

「はい」

「そうか、彼女は追い詰められているのか」

「私にはそう見えましたので」

 それを聞いただけで、国王は再び作業を始めた。
 最初に逆戻りしたようで、ミュレアは国王の説得が無理な事を悟った。
 

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