零れ話
四番目の女神
彼には幼い頃からずっと、絶対に守りたい人たちがいた。
ある晴れた日の午後、一人の青年が森の中で木の幹に額をつけて目を閉じていた。彼の周りで風が優しく吹き抜け、彼の髪を揺らす。
あたりは静寂に包まれていたが、だんだんと足音が青年の耳に届く。ゆっくりとまぶたを開け、音のする方を見る。すると思ったとおり、青年の幼馴染が歩いてこちらに向ってくる。青年が自分に気がついたと知った幼馴染は、大きく息を吸いこんでまだ距離が離れている青年に声が届くように大声で叫んだ。
「カムイー!もうすぐ祭りの時間だぞー!!」
青年はもうそんな時間かと小さく呟き、大きな声で返した。
「わかった!今行くから少し待ってくれ!」
そう言うと青年はそれまで幹につけていた手をはずし木の大きく太い立派な根からすべるように降りた。地面に着地して少し息を吐く。それから今まで触っていた自分たちの御神体である巨大な木を見上げた。この木は自分たちが信仰する神が干渉できるものの一つらしい。
「いつも思うんだが、お前よく何時間もここでじっとしていられるよな」
いつの間にか近づいてきていた幼馴染を見ると、呆れ顔で自分を見ていた。
「ここは村の中で一番優しいから、ついつい長居をしてしまう。さあ、早く帰ろうフェイト。あまり遅くなるとまた怒られてしまう」
「いや、もう神子様はカンカンだったぞ。ただ手さえ男手が足りないのに、お前が途中でいなくなったから」
それを聞いたカムイは顔に手をあてて上を向いた。
「あちゃー・・・」
この後、自分にふりかかるであろうことを思うと、このまま逃げ出したくなるが、そうすればもっと恐ろしいことになるのは確実だ。現状より悪くしないためにも大人しく村に帰るため足を進める。
「ばれないよう、こっそり出てきたのになぁ」
「あほ、2時間近くも姿が見えなかったらさすがに誰でも気付くわ」
フェイトはカムイの頭を軽く殴る。軽く殴ったといっても、あまり手加減しなかったので結構痛かったのだろうか、カムイは少し恨めしそうな視線を送るが、見事に無視された。
村の入り口に着くと、そこにはもう1人の幼馴染であるカメリアが立っていた。
「あ!2人ともおかえり」
穏やかにほほ笑む彼女に手を挙げて答える。
「ほら、ゆっくり歩いてないで早くこっちに来なよ」
催促されやれやれと男2人は顔を見合わせた後、自分たちが来るのを待っていたのだろう彼女の所に少し駆け足で向かう。
どうでもいい話
マジで、ゼミ発表の準備してない・・・。明日は模試だ!
そんな話はさておき。また趣味に走ります。最近こればっかの気が・・・。
さて、メソポタミア文明で有名なのはバビロン王朝やアッシリアですが、この王朝が出来上がるころにはシュメル人は消えてしまっていると考えられています。彼らはどこからか来て、そして時代の中に消えて行きました。シュメル人が最後に築いた王朝はウル第三王朝だと言われています。ま、自分が興味があるのはシュメル人の都市国家なんで、領域国家と考えられているウル第三王朝は対象から外してるんですけどね。
エジプトやギリシアの古代文明は人気なのに、意外と最初の文明と言われているシュメル人の文明が知られていないので、日本の文化と比較して興味を持っていただけたらなと思っているわけで・・・。
日本の中世や近世と比較してみたら面白いかなと。今武将とかのおかげでこのころの時代が大変人気なようですし。本当はお城を中心として城下町が作られているのと神殿を中心として街を形成しているシュメル人の都市国家のつくりが似ているかなと思って、調べてみようとしたんですけどね。そんな思惑があり中世の城郭を研究している先生のゼミを選択したのですが・・・どうも自分だけ浮いている。
実は前回の記事の内容、半分はゼミの先生の受け売りでした(´∀`)vえへ
無題
まだゼミの準備全然出来てねぇ…あはは。
さて、最近全く創作の小話が思いつかないので、自分が勉強している分野の小話でもちょろっと書いて更新します。
知ってきますか?お城が復元されている所に行くと、藤棚が設置している事があります。あれって、「ここに建物がありましたよ」っていうのを表現してるんですよ・・・。他にも柵だったり柱だったりがありましたよって表現するために木が植えてあったり。全く説明ないけどね。
ま、お城好きの人とかは知ってると思いますが、一般の観光客とかは分んないですよね、説明ないと。自分も教えてもらうまで知りませんでした。
で、それともう一つ。復元されているもの全てが当時あったものだと受け止めるのもお勧めしません。研究され、当時の現物を復元しようと努力したとしても、本当にそうだったかなんて当時の人しか分らないもんです。資金面の問題もあるしね・・・。
どうでもいい情報でした。
最近昼と朝夜の温度差が激しいぜ・・・マジで。
また自分の趣味まっしぐら。
さてシュメル人の文化について書いていきたいと思います。レポート?何それおいしいの?
彼らは歴史の中で都市国家を作ってその文明を繁栄させていったわけですが、その都市国家の中心に会ったのが神殿です。日本の城と城下町みたいに神殿を中心として街や人々の生活が回っていたようです。
中心となっていた神殿の主人は当然神様のわけで、各都市国家には都市神と呼ばれる特有の神様が祭られていました。都市の運営はもちろん人間が行っていたわけですが、土地や人々はその都市神のものであると考えられており、支配者はその代理人という立ち位置でした。ま、そのうち日本やエジプトのように神と自分を合体させてしまう王が現れるのですが。
当時神殿には都市神の像を置いて服や食べ物を捧げていました。生きている人間と同じように扱っていました。まるでお地蔵さまのような扱いですね。
あ、都市に固有の神がいるように、人々にもそれぞれ己の神がいました。位の高い神にもの申すときは自分の個人神に頼んで取り次いでもらう役割をお願いしていたそうな。
とりあえずここまで。
何故か拍手してくれた人が居たので調子こいて再び書いてみました。前回の文章ところどころ文脈がおかしかったけどめんどくさいので放置。
小話じゃないんですけどね。
いや、未だに研究テーマ固まってないんだけど。
さて、自分は世界四大文明の一つメソポタミア文明を発達させたシュメール人に興味があります。
今回は簡単に彼らの説明をば。
シュメール人
民族系統不明の、人類最古の文明を作ったとされている。彼らは東からやってきて当時、バビロニアの地に住んでいた先住者たちと平和的に融合していったと考えられている
現在の教科書などでは「シュメール」と表記されているが、本来「シュメル」というほうが原語に近い。何故この様に表記されるようになったか、ある説のためだと言われているが、それが真実かも怪しいという事が言われているので、ここでは紹介しないでおく。なので、ここからはシュメールではなくシュメルと表記していく。
シュメル人の文明で代表されるのは都市国家ウル、ウルクや神殿のジッグラト、楔形文字、灌漑農業、などである。だが、彼らの残した文化遺産は更に多く現代まで残っている。
シュメル人の文化は、残された遺物に描かれた絵や粘土版に残された文字によって垣間見ることが出来る。
彼らのつづった物語で有名なのは大洪水物語だろうか。これは旧約聖書にも影響を与えていると考えられる。
シュメル人はビールを飲んでいた、というのも有名だろう。彼らは不純物を含んだビールを葦のストローを使って飲んでいた。
・・・
再び力つきた!ねむい!!他にもね、色々と紹介したいが、眠さで頭が働かん。興味がある人は本屋の世界史コーナーに行ってみると良いよ。意外と彼らの本があるよ。中公新書から出てる「シュメル―人類最古の文明」(小林登志子著)がお勧め。オリエント文明やバビロニアについての本にもちょろっと出てるけど、ほとんどがアッシリアとかバビロン王朝についてが多いかな。
早く研究テーマ決めないと!発表が~・・・。
とある作品の出だしにしようと思っています。
都から遠く離れた越後国の
鬼はある山の上に城を立て、そこを拠点とし様々なところで悪事を働いた。
人々は鬼に立ち向かう力もなく、唯鬼の気が済み去っていくのを身を寄せ合い耐えていた。
ところがある日、鬼退治に一人の武将が現れた。
武将は鬼に立ち向かい、見事鬼を倒して見せた。
人々は喜んだが、そのままにしていたら鬼は自らの力で甦るのではないかと恐れを抱いた。
そして人々は鬼を七つに分け、復活しないように離れたところに埋めた。
更に人々は鬼を鎮めるために頭を埋めたところに、神社を立てた。
それが七社神社である。
アカネ色の空とおもいで
春は始まりの季節。この年も、例年と変わらず、多くの人々が新しい学校や職場、土地で新しい生活を始める。初めてのことは不安や期待で心が揺れ動くことだろう。
ひとりの少女が綺麗に咲いている桜並木の下を通っている。心地よい風が彼女の横を通り過ぎ、肩ほどしかない髪を揺らしていく。
「おはよう。今年も綺麗に咲いたね」
桜の木を見ながら少女はにっこりと笑う。その表情は慈愛に満ちている。
「うわ!もうこんな時間だ。入学早々遅刻なんてシャレになんない」
腕にしている時計を見た少女は走り出す。新しい世界に向けて。
王国恋愛物語?
「あー、なんか面白いことないかしら。」
やる気のまったくない声を出し、組んだ足の上にひじをついて手の上にあごをのせるというはしたない格好をしているのは、このステンビア王国の第一皇女である。
「またそのようなことを仰って。午後には貴族のご令嬢とのお茶会があるではありませんか。それと、きちんと姿勢を正してくださいませ。」
いつものように、長年一緒にいる姉のような存在の侍女に注意される。とりあえず姿勢を正すが、まだぶつぶつと文句を言う。
「イシス?あの、宝石やらドレスやら自分の自慢話や、噂話しかしないお茶会が面白いと思う?まだ、古狸の巣窟の会議を見学しに行ったほうが面白いわ!」
姫の性格を熟知しているイシスは昼食の準備をしながら苦笑した。
「そう言われますが、お茶会も貴婦人としてのたしなみです。つまらないとお思いの噂話の中にも、重要なことが含まれている可能性があるのですよ?王族の勤めだと思って諦めてください。」
「王族の務め、ね…。」
「さあ、準備が整いました。いつまでも不貞腐れてないでお召し上がりください。」
深く溜息をつき、フィリアナ姫はそれまで座っていた椅子から立ち上がった。昼食が用意されたテーブルに向かい、椅子に座る。
「まあ、しかたないか。」
ぼそりと呟いた言葉は、誰の耳にも届かず、他の音の中に混ざって消えた。
「まあ、なんと綺麗な首飾りでしょう!どちらでお手に入れたのですか?」
「コレは先日、お父様がネスティア地方にお出掛けになったさい、私のためにそこの職人に作らせたものですの。」
「どおりでよく似合っておいでだわ。羨ましいですわ。」
「あなたのその耳飾り、とても美しいではないですか!もしかして、それは今流行のフィッツェアのものではなくて?」
「おわかりになりまして?私の誕生日に婚約者の方から頂きましたの。」
「まあ、羨ましいですわ。」
皆が笑いあうなか、フィリアナはつまらなさそうにお茶を飲んでいる。しかし、我関せづを貫き通いしていたフィリアナに1人の令嬢が嫌味ったらしく言い放った。
「そういえば、いつもフィリアナ様は質素な格好ですのね。」
無礼なもの言いだが別段フィリアナは気にしない。この貴族の令嬢もそれが分かっていての発言だろう。
話の矛先が自分に向き、フィリアナは『来たな』と少しうんざりした気持ちになる。まあ、そんなことを顔に出すようなへまはしないが。
「私、そのような装飾品に頼って己を強調したいとは思いませんの。過度の装飾品で自分自身の輝きを濁してしまうような愚かなことはするなんて私には真似出来ません」
おほほほほー、と暗に『私はお前らより綺麗なんじゃ』という挑発しかける。
案の定、貴族の令嬢たちはものの見事に固まった。
(約一名、そ知らぬ顔でお茶を飲んで和んでいた奴がいるが。)
そんななんとも言えない雰囲気に満足して、再びお茶を一口飲む。うん、おいしい。
お茶を堪能していたら、先ほどフィリアナに嫌味ったらしく言い放った令嬢が、我に返って再び言い放つ。
「お可哀想に。フィリアナ様は装飾品の輝きに負けておしまいなのですね。」
よよよ、とハンカチで目元をおさえこう言われた。きたきた、反撃がないと面白くない。後でイシスに怒られそうだが、内心にやりとほくそ笑む。
「あら、でもその輝きに負けている事に気づかない誰かさんよりは、そのことに気づいて自分にあっている格好をする方がよろしいんではなくて?」
そうして、言い返してきた令嬢と乾いた笑い声を上げる。他の令嬢たちは居心地悪そうにしていたが、そんなこと知ったこっちゃない。
令嬢たちの反応を楽しみながら過ごしていると、そろそろ時間だと侍女が終りを告げに来た。
面白くなってきたのだが、仕方ないので退室の挨拶をしてサロンを出て行く。やっと開放されるなんて、1ミリも思ってませんよ?ええ、本当ですとも。
部屋に入ると、さっそくイシスに小言を言われた。
「お疲れ様です姫様。またサヴィアナ様と言い合いをなさったそうですね。」
なぜもう知っているのかと驚く。なんと情報をつかむのが早いことか。
「あれほど、ご関係を悪くするような発言はお止めくださいと申したでしょう。もうお忘れですか?」
「あまりにもつまらない話ばかりするもんだからつい、ね。」
「そんなことばかりしてると、周りが皆敵ばかりになるわよ。」
笑いを含んだ声が後ろの方から聞こえる。振り返るとそこにはサロンにいた令嬢の一人、ラナがいた。
「ラナ様、そうお思いならフィリアナ様をお止めになってください。」
「ごめんなさい。つい、面白くて傍観してしまったの。」
本当に楽しかったらしく、クスクス笑いながら言う。一応謝ってはいるが形だけのようだ。
「あんたもなかなかに腹黒いからね。」
「あら、いやだ。第一皇子殿下よりはマシです。」
「まあ、そうだけど。」
ラナの言うとおり、第一皇子であるフィリアナの兄は古狸どもと対等に渡り合えるほど、何を考えているのか全く予想がつかない。フィリアナも何度、あの人の手の上で踊らされたことか…涙ものである。
自分が仕えている皇族の皇子を腹黒いといわれ、それを否定する事もできず、なんともいえない顔をしているイシスは、とりあえず訪れた客人をもてなすため、お茶を入れに退室していった。
「そういえば、今日どうして私の部屋に来たの?」
2人はそれぞれ、フィリアナの部屋にある椅子に座る。
「何か用事がなければ来てはいけないのかしら?」
「いや、普通はそうだろう。」
「私に普通とかいうものを求めても無駄だと、長い付き合いになるのに知らなかったの?」
「ああ、そうでした。私がアホでした。」
不敵に笑うラナを見てフィリアナはこめかみに指をあてる。軽く息を吐いて、今度は至極真面目な目でラナを見る。
「でも、ラナ。あんたは何の用事もなくここにくることはないわ。」
すると、彼女は深い溜息をついた。
「お父様から聞いたんだけど、あなた、リティア国に嫁ぐそうね。」
ラナの父は国王の忠臣の1人である。その縁で昔からラナと過ごしていたのだ。まあ、幼馴染というものだろうか。
それにしても、まだラナに伝わってなかったのかとフィリアナは少し驚いた。それが決まったのは、もう3ヶ月前だ。
「うん、まあねぇー。そういえば、最近までおじ様の領地の方に行ってたんだっけ?」
当の本人であるフィリアナはあっけらかんとした様子で答える。
「そうよ。手紙の一つや二つ寄こしてくれてもよかったんじゃない?」
恨めしそうに、フィリアナにいうが、まあそんなことはいいのよ、と話を続ける。
「あなたいいの?この国を離れることになるのよ?」
「もう決まった事よ。来月には出発するわ。あっちに行くとなかなか帰れなくなるわね。なんたって皇太子妃になるしね。」
コロコロ笑うフィリアナに、さすがのラナもあきれた。