零れ話
ポッと浮かんだ話を無責任に投下。
夜の公園
家から10分ほど歩いたと所に山を切り開いて造られた公園がある。その公園の多目的広場には多くの桜の木が植えられている。
寒さが厳しかった日々が過ぎ、段々と温かくなり、日中の日が高い時間帯なら上着が必要ないほどに気温が高くなって数日が経った。
学校に植えられている桜は綺麗に咲き、もう満開を過ぎている。公園の桜もきっと多くの桜が美しく咲いているだろう。
はやる気持ちを抑えて夜に浮かび上がる景色を楽しむ。夏になると五月蝿いくらいに聞こえるカエルや虫の泣き声がないため、非常に静かだ。
周りの景色を楽しんでいても自然と足が速くなっていたようで、あっという間に公園に着いた。
公園内に入り、広場に向かって行くと、遠くからでも月に照らされて、桜の姿が見える。歩みは自然と駆け足に変わった。
今夜は風が無い。だからこそ、雲で月が隠される事無く光が地上に降り続く。
月光に照らされた桜は神秘的でいて、少し恐ろしい雰囲気を醸し出している。月に照らされた桜の姿に気圧されて厚みを止めた。
月明かりの中で静かに立っている桜は、まだ満開とまではいかないが、とても美しい。
怖気付いたのは一瞬で、直ぐにその美しさに心引かれた。特に向かって右手奥にある一際大きな桜の木から目が離せない。
引き寄せられるように大木に向かう。
あと数歩で気の根元に着く所で足を止めて大木を見上げる。
タイトルを考えるの苦手。
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