零れ話
ポッと浮かんだ話を無責任に投下。
未来の話。
「で、結局お前は継がないのか」
「はい。僕は研究者になります。植物の成長を補助する栄養剤生成、栄養価を高める育て方等など研究課題に事欠かないですから父様の跡など継ぐ暇はありません」
「うわ、父上の仕事より植物の研究の方が大事か。どこまでもお前は母上の性質を継いでるな」
「お褒め頂き光栄です」
「褒めてない。でも、お前が継がないとなると、うちの家系も終わりか」
「兄様が継げばいいじゃないですか」
「お前な、俺は聖職者だ。俗世の政治なんかやってる暇はない」
「聖職者が政治を司る時代もありましたよ。やればできますって、兄様なら」
「確かにやればできるかもしれないが、俺は父上達みたいに政治に興味が全くない。むしろ面倒だ。・・・というか、本当にそう思っているなら人の顔を見て言え。こら、どんどん顔を背けるな」
「いやだなぁ、美しい姉様と母様を見ているだけです」
「お前、俺の事嫌いか?」
「嫌いだったら僕の視界から排除しています」
「それは良かった。可愛い弟に嫌われていなくて。だが、本気でお前に嫌われた奴が可哀想だな。まぁ、自業自得だろうが」
「そうですね。自分で僕に嫌われる要素を作りだしたんですから自業自得です。それに別に抹殺すると笑顔で言っているわけではないですから、安心して下さい」
「何に安心すればいいんだ」
「上げ足取らない、気にしない」
「年に数回しか会わなかったのに、妙に性格が似ていると思うのは気のせいかしら」
「兄弟ですし、似ていて当然ではありませんか?わたくしとしては二人が仲良しで大変嬉しいです」
「まあ、確かに上っ面でやり取りしているより本音で話し合えるほど仲が良くて嬉しい限りだけれど。でも、どうしてあの子たち、あんなにひねくれてしまったのかしら。・・・やっぱり、あの人からの遺伝?」
「お父様とお母様の子どもですから」
「・・・」
「はあ、やっぱりホホロ茶は美味しいです」
-----
思いついたまま書きなぐった。
こんな息子娘が生まれる未来が来るかもしれない、
PR