零れ話
ポッと浮かんだ話を無責任に投下。
恐れ
小さい頃。
自分の感情が制御できなかった頃。
己の感情を爆発させた。
そのせいで、母は怪我を負った。
思うままに泣き叫んだ後、空っぽになった頭の中に入ったのは、少し黒みがかった赤。
それは床にこぼした水のようにゆっくりと広がっていった。
どこから流れてきているのだろう、と視線を動かした先に母がいた。
母は顔を痛みに耐えているように、酷く歪ませている。
母の方へ行こうとすると、母の歪めていた表情が固まった。まるで、時間が止まってしまったかの様に。
そして母は小さく呟いた。
バケモノ、と。
当然の反応だと分かっている。 これが正常な反応なのだと今なら理解できる。
だから、自分の力を嫌悪し、再び誰かを傷つけることの無いよう、制御する術も身につけた。
それでも、母の顔を見る度に、あの時の事を思い出す。
自分の感情が制御できなかった頃。
己の感情を爆発させた。
そのせいで、母は怪我を負った。
思うままに泣き叫んだ後、空っぽになった頭の中に入ったのは、少し黒みがかった赤。
それは床にこぼした水のようにゆっくりと広がっていった。
どこから流れてきているのだろう、と視線を動かした先に母がいた。
母は顔を痛みに耐えているように、酷く歪ませている。
母の方へ行こうとすると、母の歪めていた表情が固まった。まるで、時間が止まってしまったかの様に。
そして母は小さく呟いた。
バケモノ、と。
当然の反応だと分かっている。 これが正常な反応なのだと今なら理解できる。
だから、自分の力を嫌悪し、再び誰かを傷つけることの無いよう、制御する術も身につけた。
それでも、母の顔を見る度に、あの時の事を思い出す。
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