零れ話
ポッと浮かんだ話を無責任に投下。
信じてほしい想い 届かない願い 2
「安心してください。私は決して貴方からの愛を求めません」
美しい笑顔で紡がれた、残酷な言葉。いや、彼女にそう言わせてしまったことが残酷なのか。
以前の自分ならこの言葉で傷つくことはなかっただろう。ただ彼女の言葉を受け止め、少し面倒だと思うだけだっただろう。
「俺も愛いている」
そう告げると、彼女は驚いたような表情をして再びその言葉を告げる。
「私“は”貴方を愛していますよ?」
このまま自分は、一度も彼女に己の愛情を受け取ってもらえないのだろうか。
愛されているのに愛せない。
この時、初めて一方通行の想いを抱く切なさを覚えた。
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