零れ話
ポッと浮かんだ話を無責任に投下。
美しい鳥が去った後
顔を赤く染めた後俯いてしまった顔をこちらに向けようと無意識に手を伸ばしたが、それが彼女の頬にたどり着く事は無かった。直ぐに彼女は部屋に戻ると言ってあっという間に去ってしまった。
手に入るかと思った瞬間、彼女は自分の手が届く範囲から簡単に逃げてしまう。
無言で彼女に届かなかった手を握り締め、何を断ち切るような苦悶の表情を浮かべた。それを振り払い、執務室に足を進める。
それにしても…。
「可愛らしかったな」
ぽつりと零れた言葉は、誰にも届くことなく空に消えた。
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