零れ話
ポッと浮かんだ話を無責任に投下。
これって酷い願いだよね。
私がいなくなっても、泣かないで
そう言って彼女は俺の前からいなくなった。
ある暑い夏の日だった。
大事な、俺を支えてくれる大きな柱だった彼女は病気によってこの世を去った。
運良く彼女の最後に立ち会えた俺に、残されたのは彼女の願いだった。
生前、彼女はある歌を良く聞いていた。
だけど、俺はその歌が嫌いだった。
大事な人を想って泣くことを、その大事な人に阻止される歌。
大事な人を思い出す依りしろのモノの前で、泣くなという歌。
それは、大きな存在である人を亡くした傷を癒すための、残された人の生きる手段を封じようとしているようで。
それを良く聞いていた彼女も、やはり俺へ残酷な言葉を残していった。
だから、俺は彼女の墓の前で泣けないでいる。
それが彼女の願いだから。
まあ、何を言いたいかというと、某有名な歌が嫌いだという事です。
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